従来のやり方では足りない。新時代の中途採用のトレンド手法
コンテンツ
近年は人材市場の縮小や少子高齢化などの影響で人材確保が難しくなりつつあります。
さらに人材流動性も高くなり、優秀な社員をつなぎとめるのも容易ではなくなりました。
そういった状況において新卒採用に力を入れるのは当然ですが、同時に中途採用へ注力するのも重要。
新卒よりも社会人経験のある人材のほうが自社にとってフィットするケースもあります。また中途採用で人材確保できるのであれば今後厳しくなる新卒採用市場でハードワークする必要もやや薄まるでしょう。
そこで本記事では以下について解説します。
新時代の中途採用に興味がある人はぜひ参考にしてください。
ユニークかつ新しい中途採用の手法とその種類
中途採用における手法はさまざま研究されています。中でも以下はユニークかつ実用的。
多くの大企業が率先して活用しています。
- ダイレクトリクルーティング
- ソーシャルリクルーティング
- ヘッドハンティング
- リファラル採用
- ミートアップ
- 複業採用
それぞれについて詳しく解説するので、参考にしてください。
1.ダイレクトリクルーティング
ダイレクトリクルーティングとは企業側から積極的にアプローチを仕掛けていく採用活動方針です。
従来の転職活動では、企業が募集をかけそこに応募者が現れるという受動的なスタイルが一般的でした。
ダイレクトリクルーティングではこちらから積極的に声をかけていくのが基本的なスタンスです。
企業の求める人材にアプローチできるのでミスマッチが起こりづらいのがメリット。さらに転職を検討していない層にもリーチでき、市場での競合を避けられます。
採用費用も比較的かかりづらく、今後の中途採用において強力な手段となるでしょう。
一方で大量採用には向いていない点には注意。またメール配信やマーケティングなどの手間がかかって採用活動が複雑になるなど、それなりの負担があります。
2.ソーシャルリクルーティング
ソーシャルリクルーティングはSNSを利用した採用活動のこと。基本的にSNS上で情報発信して応募者を集める戦略になります。もしくはDMなどでスカウトする方法もあるでしょう。
ソーシャルリクルーティングにおける最大のメリットはなんといってもリーチできる層が幅広いこと。
高い拡散力によって多くのユーザーへ自社の採用活動をアピールできます。さらにユーザーの投稿やアカウントを確認すればよりポテンシャルや人間性も判断することが可能です。
一方で炎上リスクがある点には注意しましょう。
またソーシャルリクルーティングではアカウント運営が一定以上の注目を集めるのが前提。そのためにはSNSコンサルや運用代行業者に対する外注費用が生じる点にも留意してください。
3.ヘッドハンティング
ヘッドハンティングとは外部企業で目覚ましい活躍を見せている人材に声かけし、引き抜くことを示します。言葉からイメージされるとおりの理解で問題ありません。
ヘッドハンティングで引き抜かれるのは経営幹部や営業のエースなど、転職市場では見つけづらい人材。こういった貴重な人材を引き抜くのは海外で一般的な手法ですが現在では日本でも多く見られるようになりました。
ヘッドハンティングのメリットは優秀な人材を獲得しやすいこと。さらには転職の意思がない人物にもアプローチできるのもポイント。
ヘッドハンティング対象者には良好な条件が提示されるので、Win-Winになりやすいのも重要でしょう。
一方で相手のほうが立場上強く、それ相応の報酬を用意する必要も。
さらにヘッドハンティングの事実が相手型の会社に発覚した場合には会社同士の関係が悪くなる点にも留意してください。
4.リファラル採用
リファラル採用とは既存社員によって外部人材の紹介を受けることです。
社内で求める人材像を伝えて紹介してもらい、本人にインセンティブを付与。そして対象者と面談し条件が一致すれば入社となります。
リファラル採用のメリットは既存社員が信頼できるほどの人材を紹介してもらえること。すでにスキルや人物像がある程度一致していて。ミスマッチしづらいのも重要です。
さらには求人広告なども不要で、必要なのはインセンティブの支払いのみ。採用活動にかかる費用も大きくおさえられるでしょう。
一方でリファラル採用は不採用だった場合にかなり気を遣います。既存社員と対象者、そして会社との関係が気まずくならないように徹底した配慮が求められるでしょう。
5.ミートアップ
ミートアップとはなんらかのテーマが掲げられた交流会を活用した採用活動です。
手法としてはシンプルで、まず自社でイベントを開催し参加者を集めます。もちろん外部企業やプラットフォームが開いているイベントに名乗りを上げてもかまいません。
そこで親睦を深めつつ優秀な人材がいれば入社・選考を打診するのがミートアップの基本的なスタイルです。
メリットはイベントを通して企業の魅力をふんだんに伝えられること。直接対面するのでアピールチャンスはじゅうぶんにあるはずです。
マッチング精度が高いのもポイント。交流会に参加しているのはすでにテーマに興味があることを意味し、あるいはすでに「声をかけてほしい」とさえ思っているかもしれません。
さほどコストもかからないので、費用面でもありがたい手法です。
デメリットとして開催にかかるリソースが大きいこと。イベントのテーマを考案したり、時間や場所を手配したりと準備段階で手間がかかります。
さらに参加者へアプローチする方法にも、交渉術やスキルが必要です。
また近年はコロナ化の影響もあり、実行するには感染リスクがある点は否めません。オンラインイベントに置き換えるなどの工夫も求められるでしょう。
6.複業採用
複業採用とは、すでに他社や個人で業務に当たっている人材を獲得する手法です。元々所属している組織を離脱させず採用し、複業の状態で入社させます。
転職・採用となると、元々いた企業は退職するのが前提と考えがち。しかし「複業してもかまわない」とする企業もあれば、それを制限する規約が設けられていないケースもあります。
アルバイトの掛け持ちが認められるように、複業で働いてもらうことは(雇用形態や各種保険との兼ね合いはあるものの)十分に可能です。
メリットは転職が必要でなはないので実現のハードルが低く、採用成功率が高いこと。
また部分的なスキルやポテンシャルを得られるので費用対効果もすぐれています。
デメリットは正社員として採用するのがやや難しいこと。また在宅勤務などを受け入れて、複業スタイルにフィットさせる努力も求められます。
新しい中途採用方法を一覧で比較
最後に新しい中途採用方法について、概要とメリット・デメリットを一覧表で示します。
まとめ
近年は新卒採用市場が縮小傾向にあり、当然ながらここに対応するのは企業にとって重要なミッション。同時に中途採用もややタイトな市場へ変化しているので、やはり対策が必要でしょう。
もはや従来の中途採用手法は通用しなくなってきました。時代が変われば提供した商品が変わるように、採用手法においても新しい方向へ切り替えるのは、ある程度自然な考えでしょう。
本記事では紹介したダイレクトリクルーティングやヘッドハンティングなどは、転職市場における競合を避けながら採用を進められる新しいやり方です。ぜひ自社でも導入できないか検討してみましょう。
この記事を書いた人
小松
小松