人事担当者必見!中小企業でもできる理系大学生の採用ポイント5選!

採用市場で根強い人気のある理系大学生。ニーズは年々拡大しています。

人事担当として気になるのは、自社にマッチする理系大学生をどのように獲得していくかではないでしょうか。

今回は「理系大学生の採用ポイント」についてご紹介します。

「新卒採用をはじめていても上手くいかない…。」

「理系大学生が何を考えているのか知りたい…!」

そんなふうに悩んでいる担当者にとって参考になる内容となるので、ぜひ最後までご覧ください。

1.理系大学生の現状

はじめに理系大学生の市場について解説していきます。

IT業界をはじめ、これからますます需要が高まる理系大学生ですが、まずは実情を知り、そのうえで対策を立てていくことが重要です。

1-1.市場人気の高い理系大学生

理系大学生は今も昔も就活市場でとても人気が高いです。ただ近年、ますます人気が高まっています。

理由の1つとして「企業のテクノロジー化の推進」。つまりDX化が進んでいることが挙げられます。

DXとはデジタルトランスフォーメーションの略称で、人が行っていた業務をシステムに移行することで業務効率や生産性の向上を狙う取り組みです。

理系大学生は、数字に強くロジカルシンキングが得意な傾向にあるため、基礎的なIT技術についても学んできた学生が多く存在します。

そのため文系の大学生と比較して、理系大学生はDX化を目指す企業にとって採用しやすく内定率も高いのが実情です。

1-2.減少する理系大学生

重宝されている理系大学生ですが、実は年々減少しています。

理由は学生の理系離れです。理系の科目への興味が持てないことや、理系学部への進学は文系学部よりも教育費用がかさむことが影響しています。更に女性よりも男性が多い学部があるため、女性の進出がまだまだ進んでおらず、全体数が伸び悩んでいます。

以上の理由から、大学への進学率は上がっているのに理系大学生の数は減少しているという背景があります。

ただ、現在の子どもたちは幼い頃からテクノロジーに囲まれた生活をしているため、長い目線で考えたら理系の大学生も増えてくる可能性はあります。

参考:文部科学省「理工系人材育成戦略」

1-3.大手思考の理系学生が多いワケ

理系大学生は就職先に大手企業を選ぶことを非常に重視している傾向が強いです(自社調べ2021年10月20日~2022年3月15日)。

大手企業には、下記のようなメリットがあります。

  • 研究設備が整っている
  • 知識や経験を豊富に持っている人材が多く存在している
  • 過去の実績やレポートの積み重ねによりハイレベルな学びを得ることができる
  • 待遇・福利厚生が整っている

理系大学生は、経験を活かして更にスキルアップを目指したり、収入や設備環境などをシビアに見定めたりする人材が多いです。こうした環境を整えているのは大手企業の方が多く、これまでリスクをとって高い学費を払っていた分、リターンを求める思考が強くあります。

1-4.中小企業のニーズ増加

理系大学生を欲しがる中小企業は増加傾向にあります。

IT化が進むにつれ、過去に文系大学生に人気の高かった職種・業種でも理系大学生を必要とする業務が増えているためです。

例えば営業職。対人能力や交渉力が求められるため、これまでは文系大学生の就職先というイメージがありましたが、理系大学生を求めている企業が増えてきました。

数字に強く、ロジカルに話を組み立てて話す技術に長けていたり、扱う商材がIT化されたりするビジネスシーンが非常に増えてきたためです。

また営業手法についてもマーケティング技術を応用してインターネット上で営業活動を行う企業が増えていることもあり、理系大学生の方がデータ化された営業活動に適応しやすいと考えられています。

こうした理由を踏まえて、中小企業でも理系大学生の需要が増加しているのです。

2.理系大学生の仕事の決め方

では理系大学生はどのようにして就職先を決めているのかについても解説していきます。

求職者の思考を把握することで、採用活動のアプローチ方法も変わってきます。現在Z世代と呼ばれる20歳前後の理系大学生が何を考えているのか、3つのパターンで説明します。

2-1.技術が伸ばせる環境を探す

理系大学生は自身の技術力を高められる環境を探しています。

学生のうちからスキルを付けながら勉強してきた理系大学生は、就職してからどのような能力を身に付けることができるのか、という点を非常に重視しています。

逆に言えばその点について非常にシビアではあるので、もうこれ以上学べない、成長できないと感じたら感情を切り離して転職するケースもあります。

専門性高くスキルを伸ばせること、もしくは幅広く横展開していける部署や部門があることは強みにつながります。

こうした思考を持っている理系大学生が多いということは念頭に入れておきましょう。

2-2.大学・大学院の研究室からの紹介

次に、就職方法としてもっとも多いのは、大学・大学院で所属している研究室からの紹介というルートです。

信頼している教授からの紹介であれば、それほど企業に対する理解がなくても就職先として決めている学生も多いのが実情です。

学校からの推薦枠の場合エントリーから内定までの工数が少なくなることもあり、成績優秀な生徒はここから就職先を決めることが多いです。

2-3.勉強・研究成果を活かせる職場を選ぶ

最後に重要な観点となるのは、学生の時に学んでいた勉強内容や、研究の成果をきちんと活かせる職場であるか、という視点です。

先ほど、「理系大学生には時間がない」とお伝えしましたが、ここが重要なポイントとなります。

理系大学生はこれまでの勉強内容を全て覆して別の業種に飛び込むか、勉学を活かせる職場を選ぶかのいずれかとなりますが、シフトチェンジにはそれだけ労力がかかってしまいます。

日々忙しくしている理系大学生の場合、シフトチェンジして一から就職先を探したり企業研究をする時間が上手く取れません。

そのため基礎知識だけでも活かせる企業や、更に能力を伸ばせる職場を好む傾向があります。

3.理系大学生の採用ポイント

ここまで理系大学生の魅力や市場、彼らの思考について説明してきました。

では魅力的な学生を採用するためにはどうしたらいいのでしょうか。大手企業に負けないように、自社で能力を活かして活躍してくれる人材を獲得するためのポイントを5つ紹介します。

3-1.研究成果をアピールしやすい応募フォームを作る

1つ目のポイントは、これまで学生が学んできた研究の成果をきちんと反映させられるような応募フォームを用意することです。

文系大学生は学んできたことやアピールポイントを定性的な文章で記載することが多いですが、理系学生は違います。

研究の中で分析したデータや、数値、作品の写真など様々な角度から説明が必要な場合があります。一律のフォーマットではそういった彼らの成果を上手く伝えられない可能性があります。

自分のアピールができないことで、企業に対しての熱意が冷めてしまうともったいないので、自由に表現できる環境を整えてあげましょう。

面接する側にとっても求職者を知るきっかけが増え、双方良しの状態を作ることができます。

3-2.地方の理系大学生にもアプローチをひろげる

2つ目のポイントは、遠方で未開拓エリア、地方にアプローチをひろげるということです。

都心の大学には競合企業も優秀な人材獲得のため頻繁に連絡を取り、足も運んでおり、強豪とのバッティング率は高くなります。

そのため、その競争に参加するのではなく、地方の理系大学生にアプローチをかけてみましょう。

地方の場合、重視するポイントは、リモートで業務に参加できるのかという遠方から入社する上での環境の整備や、もしも拠点を移す場合に引っ越し手当や住宅補助などの手当が充実している点です。

もしそういった環境を用意することができる場合、積極的に地方の学生を取り込みにいきましょう。

面接はフルリモートで行い、とにかく求職者の手間と負担を軽減させることを考えた体制を整えることが重要です。

3-3.理系学生特化型人材紹介サービスを利用する

3つ目のポイントは、理系学生に特化した人材紹介サービスを利用することです。

文系と理系では就職活動の動き方、スケジュール、思考などが全く異なります。

私は文系出身ですが、大学生の時の就職活動で理系大学生と出会ったことがほとんどありません。

それは理系大学生は、卒業目いっぱいまで授業や研究やレポート提出や卒論の作成があり、文系大学生のように就職活動に没頭できないからです。

理系学生に特化した人材紹介サービスであれば、そういったリアルな現場感を掴むことができ、プロを通して求職者に出会えるのでマッチング率が上がります。

一次面接をクリアしているような状態の求職者と会えるため、企業の負担も軽減されます。
理系学生特化型は、エンジニア・ITなど専門性に優れたサービスもあるので、気軽に問い合わせてみましょう。

相場観のリサーチをするのにも非常に役立ちます。

3-4.理系学生特化型求人媒体を利用する

4つ目のポイントは理系学生に特化した求人媒体を利用する方法です。

3つ目に紹介したのは人材サービスですが、公募の求人広告を掲載する方法も有力です。求職者に理系大学生の会員を集めているものになるのでターゲティングしやすくなります。

掲載する時にもっとも重要なことは「ペルソナ」をきっちりと決めることです。ペルソナとはターゲットとする求職者の年齢・性別・趣味・思考などの細かな人物像です。

ペルソナは、実際に実在する人物としてイメージができるまで細かくプロフィール設定する事がポイントになります。

「誰でも良い」という広告には誰も集まりません。求人広告は販売促進とは異なるため、ペルソナを定めて、1人に対してアプローチをかけるようなつもりで作成することが重要です。

よくありがちな「間口を広げるために、条件を緩和したい」という打ち手を、安易には取らないことをおすすめします。

3-5.フットワークの軽さが何より重要

5つ目のポイントは、スピード感です。

正直な話、これが最も重要なポイントと言えます。

優秀な人材を採用したいのであれば、迅速な対応、スピード感を大切にするということです。採用の決裁を通すのに1、2週間かかっているようでは人材は逃げていきます。いや、競合企業に奪われてしまいます。

優秀な人材は争奪戦であり、スピード感が大切との認識があれば、その時間を短縮することができます。意識して動くことが重要です。1つのことをはじめて、進捗を確認し、振り返り、改善を踏まえてまた行動に移すというPDCAのサイクルを高速で回していきましょう。

学生を採用する絶対の方法はありません。他の企業が1つのことを試している間に2つ、3つのことを進めることができれば、可能性は2倍、3倍と上がっていきます。

中小企業にできる絶対的な方法は、「スピード感を意識し、フットワーク軽く、速度をあげること」です。
今すぐに意識し、試しましょう。

4.まとめ

ここまで理系大学生を獲得するための方法についてご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。

中小企業が大手に抜きん出るためには、それだけ工夫や手数が必要となります。その分、見返りとして良い人材を確保することができれば会社にも大きく寄与することができます。

もし自社で理系大学生の採用に苦戦している、もしくはこれからはじめようとしているのであれば、ぜひ今すぐに出来ることからはじめていきましょう!

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この記事を書いた人

白木 めい

求人広告の営業を7年以上務めてきた経験を活かして、採用活動全般の記事が得意です。求職者目線、企業目線どちらも大切にしながら書いております。仕事依頼もお気軽にご相談ください(Chatwork ID:1gi31upx8lx3v)